第1回松本方式ボランティア 国際音楽祭からまつもと大歌舞伎へ~

2023年10月14日(土)会場 新百合トゥエンティワンホール

10:00~11:45

 

2023『つながる×つなげる 芸術+ひと+まち』プログラムがスタートしました。昨年までの『アート講座』から名前も一新、さらに進化したプログラムの始動です。
開講に先立ち、公益財団法人川崎市文化財団理事長 瀬戸豊彦氏よりご挨拶がありました。今年度は、ワークショップやお出かけ講座と様々な企画が用意されているとのこと、楽しみです。
本日第1回は、サイトウ・キネン・フェスティバル(SKF)松本の初代ボランティア協会会長の青山織人さんをお招きして「松本方式ボランティア・国際音楽祭からまつもと大歌舞伎へ」です。
SKFは1992年から松本市で行われ、2015年よりセイジ・オザワ松本フェスティバルに名称変更され、30年を数えています。
現在では、会場での業務は全てボランティアが運営を行う自立した組織ですが、当初はご苦労もあったそうです。人材募集には、地域(松本)の祭り好き遺伝子に訴え「昔、氏子。今、ボランティア」の心意気で、音楽に関係ない人が参加してくれました。初め、ボランティアは奉仕と考えられていましたが、現在では、実行委員会とボランティア協会はパートナーとして業務委託契約をむすび、事務局も経済的にも自立して運営されています。ボランティアが「勝手気ままなおせっかい」とならない為には、人手ではなく人材として登用され、自覚と責任を持って仕事することが必要とのことでした。
小澤征爾氏はボランティアに大いに理解を示し交流を持ってくださると、世界のオザワの気さくなお人柄を表すエピソードもご紹介いただきました。
また、まつもと大歌舞伎では、ボランティアが企画から行い、公演では市民キャストとして舞台にも立っているそうです。松本のボランティア恐るべし。
最後に強調されたのは、「ボランティアは面しろおかしく参加し、自立・自活であるべき」というお話でした。
質疑応答では、興味深い質問がありました。「リーダーの育成」は、人事軋轢を恐れず経験の浅い人でも適任と思われる人を起用する。「高齢化からの若返り」の対策は、若い人でも参加できる時間帯の業務、若い人でなければできない業務を作ること、SNSの活用。他にも「継続してもらう秘訣」「収益の利用方法」の質問があり、わかりやすく回答頂きました。随所にユーモアを交え熱心に語られるお話に引き込まれ、あっという間にお時間となりました。
私自身、アルテリッカのボランティアとして活動しておりますが、共通点もあり、考えさせられる点も多く勉強になりました。今日のお話を心掛けて、また楽しく活動させて頂きたいと思います。
歴史の舞台、国宝松本城を有する町松本が、今日のお話を伺い何だか身近に親しみを感じてきました。松本を訪ね、蕎麦屋さんや焼肉屋さんでセイジ・オザワのサインを探してみたくなりました。
(文:NYANN)