映画監督ふくだももこと考える 映画と家族のこれから(2022/1/22)
本日の講座は 新進気鋭の映画監督ふくだももこさんと富山省吾日本映画大学理事長の対談ということで オープン参加の受講生も含め多くの人が集まりその対話に聞き入った。
まずは2015年制作の注目映画「父の結婚」の上映から始まった。筆者はふくださんのお名前は存じ上げていたが、その作品を見るのは初めてで、大変興味深く拝見した。30分の短編で一見ハッピーエンドの作品ながら、人間の多様性を絡めて家族というものを改めて考えるとてもエキスの濃い作品であると実感した。ふくださんも山田洋二さんのような家族を主体にした映画はなかなか撮れないので違った視点で家族を撮りたいと考えたと最後に言っておられたが、多様性に富む秀作である。
富山先生との対談に入った。富山先生の話題の出し方、答えの引き出し方は見事だし、ふくださんの明朗さ、関西弁の語り口、経験談の面白さも素晴らしく、楽しい対談であった。ふくださんはまだ30歳だというのに人生におけるとても豊かな体験そして経験をもっておられ、まだまだポケットに多くのネタ・思考を抱えておられるとお見受けした。日本映画学校入学のころからの10余年の間のこと、例えば小説を書き始めたきっかけ、髪を染めたことのメリット・デメリット、女性の目線で描いた映画の世界等々熱く且つ率直に語られた。また個人の多様性や人格に触れた作品が多いが、単にマイノリティを特別扱いにしたいと思っておらず、押し込められた世界から脱出するという気持ちの表現であり、自分の立ち位置を無理に変えることのない映画作りを目指したいという信念を述べられた。富山先生から「ふくださんは 俳優の芝居力を見る力がある、若手ながら毎年1作以上の劇場用映画を作る凄い人だ」との紹介もあった。
ふくだ監督、従来とは違った目線で、社会、家庭、個人を 映画・小説・脚本で発表し、私たちに種々の考え方や見方に大きな刺激を与え続けてください。今後の作品を楽しみにしています。富山先生、ふくだ監督楽しい対談ありがとうございました。堪能いたしました。
(投稿文 アメリカン 記録写真 白馬童子 )