【アート講座】の記事

「新しい生活様式」の中でのオペラ その演出について ~ビゼー、プッチーニから池辺晋一郎まで~ (1/16)

投稿日:2021年1月29日

1月16日、岩田達宗氏を講師に迎え、アート講座2020第4回が開催されました。

 

 

 

岩田氏は、“行列のできる演出家“ として活躍される日本を代表するオペラ演出家です。昨夏には、コロナ禍の日本で初の本格的なオペラ公演となった「カルメン」に挑まれ成功をおさめられました。今回はその公演開催までの現場の工夫や裏話をお話いただく予定でしたが、残念なことにコロナ禍が昨年よりはるかに深刻となり、現場はナイーブな状態が続いているため、代わりにコロナ禍が与えた演劇業界への影響についてお話し下さいました。

 

まずは甚大な負の面について

オペラはマイクを使わないことや本番に関わる演者スタッフが桁違いに多いことから、他の演劇に比べて物理的にも経済的にもコロナ対策が難しく、多くの公演が中止や延期となって関係者は失業に値するほどのダメージを受けたそうです。お客様に観てもらえることが演者、制作者にとってどれほど有難いかを再認識したと話される岩田氏が、こみ上げる思いに思わず言葉に詰まってしまわれたときは、業界の方々の口惜しさややるせなさがどれほどのものかが容易に想像されました。

 

 

 

プラスの一面

人々の生活にITやAIが使われるようになって、コミュニケーション手段としての肉筆や肉声など “生”の価値が徐々に軽んじられていないだろうか、音楽の世界でも同じように“生”の価値が気づかぬうちに同様に変化していくのではないかと危惧されていたそうです。

しかし、今回のコロナ禍で、人と人との接触が大きく制限されるというドラスティックな変化に直面して、多くの人々が“生”のよさを再認識する機会となったのではないか、これは音楽にとっても大きな意味を持つことになるのではないかとおっしゃっていました。

 

深刻な話題も軽快にときには笑いを交えならお話しくださり、内容に引き込まれてあっという間に時間が過ぎていきました。

最後に、“生”のコミュニケーションには説得力がある。オペラは無くならない。と結ばれた岩田氏のお話に大いに共感しました。

 

 

 

また講座の始まりと結びには、ソプラノ歌手:長島由佳さん(日本オペラ協会会員)、ピアノ:久保晃子さん(藤原歌劇団団員)による

オペラ『魅惑の美女はデスゴッデス!』より《私は死神》

『ジャンニ・スキッキ』より《O mio babbino caro》

が披露され、ほぼ満席の会場からは大きな拍手が送られました。

“生”はやはり素晴らしい‼

 

 

 

 

(投稿文:Kimmy 、記録写真:E-river)