【アート講座】の記事

ドリフの音楽に「戦後」を聴く (10/10)

投稿日:2020年10月26日

台風14号が接近し、雨が降りしきる天候にもかかわらず、2020年度のアート講座の第一回目が多くの受講者の参加で始まった。コロナの影響で今年はいろいろと行動が制限されたが、久々の講演会ということで、胸をときめかした方々も多かったのではないかと思う。本日は、音楽家からの信頼の厚い朝日新聞東京本社編集委員である吉田純子先生の講演だ。

講演が始まると、ドリフターズ クレージーキャッツ 山本直純 等々我々の年代には懐かしい名前が次々と出てきて思わず前のめりになり、加えて話題の都度先生自らキーボードで彼らのテーマ曲や関連の曲を奏でるといった趣向が大変面白く、聞き入ってしまう内容であった。東京芸大、朝日新聞社という経歴・経験から、短い時間の中で、多岐にわたる話題、そして音楽に対する分析等々 興味深いお話を伺うことができた。

一貫して言っておられた、「世の中がどう変化しても 人の心を思う気持ちは必要で、正に音楽がその役割を果たしている。音楽は人が言えないことを代弁してくれる。また音楽は人の心を喚起することもあるし、反対に傷つけることもある。それをよく噛みしめていくことがポイントである。」という言葉はとても心に残った。

先生が配布して下さった「ドリフの時代 その音楽」のレジメはドリフの歴史というだけでなく、当時の音楽と、そしてそれに関わる作曲家の歴史でもあり、それについて「テーマ曲を聴いただけでその映像が頭に浮かんでくる。(バーチャルな世界と現実の世界を結びつけるのは人の心を思う気持ちである。)ドリフのコントの効果を増幅させる役割を音楽が担っていた。」とのお話もとても印象に残った。関連してゴジラのテーマ曲、地震速報の曲、またモーツアルト「ドン・ジョバンニ」についても楽しいお話を伺った。

吉田先生のお話、そして何より明るく元気なお人柄は、我々を勇気づけてくれる、そして高揚させてくれるものであった。

先生、我々に精神的栄養を与えてくれる音楽に携わる方々に、今後ともエールを送ってあげてください。本日はありがとうございました。

投稿文:アメリカン、記録写真:白馬童子