【アート講座】の記事

映画少年でも何でもなかった僕が、日本アカデミー賞6冠を貰うまでの凸凹話

投稿日:2020年3月9日

2月22日、映画監督の中野量太氏を講師にアート講座が開催された。

第1部は、映画「チチを撮りに」を鑑賞。中野監督が挑んだ初の自主長編映画で、各国の映画祭に招待されるなど、国内外で14の賞に輝いたものです。「死にゆく父の顔を写真に撮る」という“おつかい”と、行き着いた先に待っていた人生の修羅場で奮闘する姉妹を通して、母の思いや家族の絆を描き出した映画で、笑いあり、涙あり、心がじんわり温かくなりました。

第2部は、中野監督の講演、起承転結で話してくれました。起は、「映画との出会い」。もともと表現して人を喜ばすことが好きで、就職活動から逃げているうちに、映画に行き着き、映画学校の3年間で映画が「たまらなく好き」になったそうです。

承は、「いざ映画の現場へ、でも苦悩の5年間」。助監督として現場に入ったが、気配り・目配りができず、しょっちゅう怒られていたそうな。やがてドロップアウトして小さな映像制作会社へ出入りするようになり、テレビ番組制作へ。

転は、また映画の道に戻り、自主映画を制作したこと。中野監督は、「クオリティの高い映画を作って、中野にプロで映画を撮らせたいと思わせる」ために自主映画を作ったという。それが「チチを撮りに」でした。

そして、ある制作会社の社長から、オリジナル脚本で勝負しようとの話を貰い、イイ脚本を書いて認められようと必死になり、出来上がったのが、「湯を沸かすほどの熱い愛」でした。

主役は宮沢りえさんと決めていたが、アタックが難しいと思っていたそうです。宮沢さんがイイ脚本と言って、出演を受けてくれたときは感激したそうです。中野監督は、宮沢さんのデビュー作「僕らの7日間戦争」を小学生時代に見ていたこともあり、何か因縁を感じているととても嬉しそうに話されました。

結は、その「湯を沸かすほどの熱い愛」で日本アカデミー賞6冠を受賞したことです。

私が、印象に残ったのは、「見せる演技」「見える演技」でした。「見せる演技」は一方通行で、お客さんをひき入れることはできない。「見える演技」は主体がお客さんになるので、その時点でお客さんは映画の中に入っているとのこと。これから映画やテレビを見る際に留意しようと思うとともに、他の分野にも言えることだと感じました。

中野監督は、終始、ざっくばらんな雰囲気と分かりやすい言葉で語ってくれました。10月2日公開の映画「浅田家!」に期待するとともに、中野監督がますますイイ脚本を書いていただけるよう祈念して、アート講座の報告とします。

(記録文:トニー、写真:  )