【アート講座】の記事

オペラ劇場を知る+バックステージツアー/劇場の響き体験(3/2)

投稿日:2019年4月20日

2018年アート講座の最後を飾るにふさわしい講義で、2時間という短時間ではもったいないほどの豪華で内容豊富なそして期待を上回る有意義なものであった。

まずは古橋教授による「劇場の歴史ーオペラ劇場を中心として」をテーマとした講演で始まった。豊富な画像と説明資料、そして何よりも判りやすい先生の説明で、今まであまり知らなかった知識がスムーズに脳裏に入ってくる感じであった。夫々の時代背景による目的の変化、劇場の構造の変遷(特に観客席と舞台との面積比率の変化)、等々各都市の実例を呈示して講義を進められ、劇場は何のために存在するのかという大きな命題について、①芸術家の表現方法を助ける、②ハードウェア(空間・技術)とソフトウェア(企画・運営)の調和、③歴史と未来をどのように包合するか との結論で締めくくられた。次いで舞台装置と機能について、装置を動かしながら簡潔に説明をして下さった。特にプロセニアムについて、観衆の目から見て「現実の世界から夢の世界を見る」道具立てであるという説明が印象的であった。オペラ劇場は正に装置ビジネスという実感を強くした。

    

第2部は舞台技術者の茶畑さんによる舞台の説明とバックステージツアーだ。面白かったのは開場前の楽屋裏の様子を再現してくださったことだ。想像以上に緊迫感があると感じた。茶畑さん達の案内で舞台から楽屋裏までつぶさに見せていただき、めったに持てない素晴らしい体験であった。

第3部は藤原歌劇団の廣田さんのお話と歌唱である。昨年のテアトロジーリオでの第九演奏会で美声をお聴きしており、楽しみにしていた。まずは声の響きと立ち位置の関係について説明と実証から始められ、ベルカント唱法とドイツ唱法の違いについて実演を交えて説明をしてくださった。ベッリーニの清教徒、プッチーニのラ・ボエーム、ワーグナーのトリスタンとイゾルデの聞かせどころを歌ってくださり、とても楽しい時間を過ごすことが出来た。

古橋先生、茶畑さん、廣田さん、石渡さん、そして昭和音楽大学のスタッフの皆様、充実した時間を提供してくださり、ありがとうございました。

(投稿文 アメリカン、写真 E-river)