【アート講座】の記事

劇団民藝 女優対談 ~今、舞台で演じるということ~(1/19)

投稿日:2019年2月17日

本日は劇団民藝の実力派中堅女優の桜井明美さんと中地美佐子さんお二人の対談だ。2015年のアルテリッカにおいて「海霧」の舞台でお二人の演技を拝見し、役になりきって好演をしておられた姿が忘れられなく、本日の対談を心待ちにしていた。

 

お二人の自己紹介から対談が始まった。桜井さん、中地さんとも周囲に芸術家がいるのかと思いきや普通のサラリーマン家庭で育ったとお聞きし、まずは驚いた。桜井さんは「アンネの日記」で演劇の壁を実感し、ご苦労されたこと、中地さんはプロンプターの経験から演技の基礎を学ばれ、そして滝沢修さん等の厳しい指導を受けるなどの苦労話もなかなか聞けない話だ。演出家の丹野郁弓さんからの指導や、お二人のお互いの評価のお話も愉快であった。舞台やそれ以外での信頼関係の有無は、舞台で演じる場合とても重要なポイントというのも意義深い。

  

木下順二作品については樫山文枝さんが「見るのは天国やるのは地獄」と言われた例をあげ、せりふの使い方が普通の会話に使われていないものがいかに多いか、会話をしていても思想・思考がないと寄りかかるものがなく 作品は好きだが怖いという評価をしておられた。俳優には演じる恐怖というものがあるのだなと初めて知った。この5月アルテリッカで公演する「夏・南方のローマンス」について概略説明の上、何とお二人の演技を実演してくださった。稽古場での臨場感あふれるもので、さらに驚いたのは顔の表情・言葉の出し方が対談中と大きく変化したことだ。

最後に芝居を通じての信念として、中地さんは女性の応援歌になりたい、少数派の人間を演じてみたい、桜井さんは観てくれる人に束の間ではあるが心を溶かす時間を与えることができる役割を演じたい、との話をされて対談を締めくくられた。

質問者から宇野重吉さんのエピソードが披露されるなども含め、大変和やかで愉快な時間を過ごすことができました。お美しいお二人の見事な演技と楽しい対談に堪能いたしました。「夏・南方のローマンス」を必ず観にいきます。ありがとうございました。

(投稿文:アメリカン  写真:ウナ・フロール)