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アート講座vol3 第2回「映画で落語を語る「落語娘」 日本映画大学教授/映画監督 中原俊先生

投稿日:2011年10月24日

10月22日に、アート講座III第2回「映画で落語を語る「落語娘」と題して、日本映画大学教授/映画監督 中原俊先生をお招きしました。受講生の方からの投稿をご紹介いたします。

本日は前回と会場が変わり、日本映画大学の新百合ヶ丘キャンパスでの講座だ。中原俊先生の監督した映画の観賞と講演で3時間の長丁場であったが時間を感じさせない内容の一時であった。
最初に2008年制作の「落語娘」の110分に亘る作品の観賞である。ミムラや津川雅彦の出演で落語を愛する若いお嬢さんの成長を落語界や師匠の生きざまを交えながら見つめていく作品で、いろいろの角度から楽しめる作品であった。「景清」「たらちね」「寿限無」等が実際語られるもので落語ファンたる私には興味深いものであった。
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映画の後は中原先生の講演である。先生は快活で極めてざっくばらんな方で講義も話の途中で質問を受けながらのさながらトークショウの雰囲気でテンポよく進行した。まず「落語娘」についてはプロデューサーの要望を全て入れ青春もの、内幕もの、ホラーもの、落語の題材、時代もの、ライバルものといった要素が全て込められている大盛り丼のようだと表現された。この映画制作にあたってはフィルムもビデオも一切使用せず、全てデジタルを応用しており、将来は監督の現場での采配は必要なく別室でコントロールできる時代が来るのではないかと話しておられたがその話には些か驚いた。
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この作品制作には柳家蕎太郎師匠や新宿末広亭の協力をはじめいろいろな方の協力があったようだが、特に面白かったのは津川雅彦さんの役作りに対するこだわりと場面づくりでの工夫の話であった。
監督ご自身の若いころからの回顧の中で、日活に入社した話をご両親に報告できなかったという話には笑ってしまった。
最後に落語の語りは映画そのものであるという話は真にうなずけるものである。エイゼンシュタインのモンタージュ理論は素晴らしいものであるが、日本では落語が言葉のモンタージュを実践しており、映画の世界でも初期には弁士の話芸と結び付いた。残念ながら画のモンタージュは外国から入ってきたが、日本の落語は捨てたものではないという締めには大いに納得させられた。中原先生、これからも楽しめる作品を多く世に出して下さい。 (アメリカン)

今回は、ボランティアの方が司会~受付まで、全て運営面を支えていただきました。
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