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アート講座vol4 第10回 「命あらたに」 講師 劇団民藝 俳優 奈良岡朋子、演劇ジャーナリスト 高橋豊

投稿日:2013年2月27日

2月16日(土)(会場:アートセンター アルテリオ小劇場)に、アート講座「命あらたに」と題し、劇団民藝 俳優 奈良岡朋子先生、演劇ジャーナリスト 高矯豊先生を講師としてお招きしました。
受講生の投稿文をご紹介します。
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本日は、劇団民藝俳優 奈良岡朋子さんの講演だ。アート講座では珍しい対談形式ということで、進行役を演劇ジャーナリストの高橋豊さんが担われて始まった。

今日のスケジュールは対談、奈良岡さんへの質疑応答、奈良岡さんの朗読といった変化に富んだ内容で期待に胸が膨らんだ。
奈良岡さんはとてもチャーミングで時折笑いを誘う話を挟み込み我々聴衆を飽きさせない話をされた。

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最初に今般アルテリッカで上演される「カミサマの恋」について説明され津軽弁の芝居で全国公演を長らく続け、今回のアルテリッカで千秋楽となるが、最初の頃から比べると内容も良くなってきており、最後までやり切れることを祈っているとのことであった。
次に奈良岡さんの民藝入団の時の話に移り、本来は画家になるつもりであったが、はずみで役者になってしまったとか、家族の方から学校を卒業することを条件として民藝に入団の許しを得、加えて今後絵を描いてはならぬと父君から厳命されたといった芸術一家らしい興味深いお話も披露された。
入団後は言われたとおりに動いてしゃべっているだけで今まで過ごしてきたが、運のよい人生であったと述べられたが、奈良岡さんらしい飾らない謙虚なお言葉と感動した。話題は「カミサマの恋」の舞台でもあり、お父様の郷里でかつ奈良岡さん自身の戦時中の疎開場所でもあった
青森に移った。
ときどき津軽弁を交えながら、方言について方言は文化であり誇りをもって使ってほしいといった事を熱く語られた。
次に劇団民藝での先輩や仲間そして印象に残った俳優さんについて語られた。
劇団民藝について「来る者は拒み去る者は追わず」と表現されて、滝沢修さん、宇野重吉さんについて語られた。奈良岡さんが後にも先にも先生と呼ぶ俳優さんは滝沢修さんと、文学座の杉村春子さんだけであるとのこと。
宇野重吉さんは才能を引き出してくれる人であり、人間として教えてもらった思い出や、宇野重吉さんのエピソードをいくつも楽しく語られた。
厳しく指導されましたが、鵜匠みたいな人であったとも表現された。
杉村春子さんには大変可愛がられたと話をされた。
その中で奈良岡さんと杉村さんの恋談義において「岡惚れは必要」という話には思わず笑ってしまった。
民藝同期の大滝秀治さんに話題は移り、経営面では手こずらされたが、芝居好きで正直で子供みたいな人であったと人となりを語られた。
唯一の同志で愛すべき人であったとぽつりと言われたのがとても印象的であった。
また大滝さんについて悪声だが歌はうまいなどのエピソードを幾つか愉快に語られた。
舞台等で印象に残るものはとの問いに対して、良い作品と言われていても、それを評価しない人は評価する人の数倍いると思っていて
自惚れてはいけないといつも自戒しているという表現をされたが、その言葉の重みに心から感激した。
「奇跡の人」「イルクーツク物語」「神戸北ホテル」等がいろいろな意味で思い出深い舞台と言われておられた。
最後にイチローを例に出し「スポーツと舞台の世界は良く似ている、イチローはいろいろな記録を塗り替え
ても満足感はあるが達成感はないと言っている、これは自分にとっても真理である、自分にも通じる言葉である、 現在に満足することなく生きている限りは芝居をやり続けるつもりだ」 という言葉で締めくくられた。
質疑応答の後、美空ひばりさんの歌「一本の鉛筆」を朗読されて充実した講演
会は終了した。奈良岡さんの人間的魅力に触れた至福の90分であった。また
それを十分に引き出して下さった高橋さんの技量にも感謝である。
ますますお元気で御活躍下さい。奈良岡さん、高橋さんありがとうございました。
(アメリカン)
 

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