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アルテリッカしんゆり10周年記念アート講座 第3回「篠田三郎が語る 演劇・朗読の魅力(2017/10/28)」

投稿日:2017年12月15日

今回のアート講座は劇団民藝より、演出家の丹野郁弓さんと俳優の篠田三郎さんにお越しいただきました。
篠田さんは来年のアルテリッカしんゆりにおいても、「SOETSUー韓くにの白き太陽」に主演されます。歴史ある劇団に客演される苦労や、芝居の魅力について語っていただきました。

   

丹野 篠田さんとの出会いは、『八月の鯨』という芝居でした。老ロシア貴族という難しい役で、ちょっとこれが二枚目でなければならない。民藝にはきれいなおじいさんが見つからなくて(笑)、いろいろな意味を込めて篠田さんにお願いしました。ステキに演じていただいて素晴らしい出会いになりました。今回の柳宗悦役は、思想家でもあり重い台詞も多いのですが、お人柄でしょうか、篠田さんは初心(うぶ)な感じで押しつけがましくない人物を創ってくださいました。それに柳さんも二枚目なんですよ(笑)。一人で劇団に乗り込んで、いかがでしたか?

篠田 今回の舞台は、柳宗悦が若かりし日に朝鮮の白磁に魅せられ、かの地で、その文化に触れて「本当の美」とは何かということを見つける物語です。始めはただお客さんのつもりで来たのですが、民藝のみなさんは舞台にまっすぐで、本当に真面目な方々なんです。そんなみなさんと芝居をするのは、本当に楽しかったですし、刺激も受けました。丹野さんの演出は大変エネルギッシュで、尊敬しています。

     

丹野 真面目なことはいいことですが、それだけではいけません。篠田三郎というある意味、異分子が入る事でお互いが高め合う事ができたと思います。なんかほめあっていますね(笑)。

篠田 『八月の鯨』では、79歳の役でしたが、『SOETSU』では30~50代の役でした。もう少し年相応の役も頂きたいですね。

丹野 舞台は若々しく見えれば大丈夫なんですよ。

篠田 今回は台詞量も多いので、5Kgくらい痩せました。

丹野 難しい台詞を自分の中で消化しようとすると、エネルギーをすごく使いますね。

篠田 私は映画デビューのために高校を途中でやめてしまったのですが、色々な人物を演じることで、その人の人生を疑似体験できるのは役者の仕事の魅力の一つですね。

丹野 演じることを通じて、役者は人間性を育てる面もありますね。その役に近づこうと努力する事で、人として深みを増していくのでしょう。

篠田 役者を続けたおかげで、藤沢周平さんや松本清張さんたち素晴らしい作家と出会うことができました。そして何より丹野さんと出会えたことはとても幸せでした(笑)。

後半は篠田さんが、藤沢周平の「泣かない女」を朗読してくださいました。
人の心の機微を余すところなく表現した、藤沢らしい短編です。
篠田さんの柔らかで、深みのある、それでいて艶のある声で、藤沢ワールドが、鮮やかに描き出されました。

その後、質問タイムを経て、今回の講座は終了。

来年のアルテリッカしんゆりにはお二人の「SOETSU-韓くにの白き太陽」が上演されます。とても楽しみです。ぜひご覧ください。

 

記事 だいあん   写真E-river