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アート講座vol.8 第9回 「アンネのうまれる瞬間(とき)」

投稿日:2017年3月3日

第9回は、劇団民藝に所属され翻訳家、演出家としてご活躍の丹野郁弓先生のご登場です。

 

今年のアルテリッカしんゆりにてアルテリオ小劇場で上演される丹野郁弓演出「アンネの日記 プロローグとエピローグのある二幕」にかかわるお話しです。当アート講座ではすでに顔なじみの講師でもあり、フランクな雰囲気の中、講義を存分に楽しめました。
さて、本講座のテーマである「アンネの日記」は民藝のオハコ演劇です。1956年の初演以来、多くの役者、演出家に支えられてなんと1700回を超える上演をこなしてきたもの。そこで今回の丹野演出による「アンネの日記」の特徴、見所は何かについて、次のように話されました。『戦争を知らない世代があえて戦争を語り継ぐ』という意味付けもあり、特異な戦時下であっても成長し続ける、いや成長せざるを得なかった一人の少女“アンネ”が確実に生き抜けた証しに注視したことです。

 

それは今まで描かれてきた良い子としての“アンネ”でなく、むしろ扱い難くちょっと小生意気な少女のイメージでもよい。
ただこの物語が悲惨な話しで終わるのではなく、アンネの明るい笑顔を最後に観客の目に焼き付けるんだという丹野演出のスタンス。

その醍醐味は、今春是非、アルテリオ小劇場で実感したいものです。
途中、会場の中から今回のアンネ役となる八木橋里紗さんの登場。アンネ役17代目であり、なんと彼女のお母さんも8代目アンネ役だったとのこと。1時間余の質疑応答のやり取りの中、マイクを片手に会場内を軽快に走り回っていた姿は何とも爽やかでした。

 

最後に、文化活動の重要性から演劇を始め諸芸術イベントが満載のアルテリッカしんゆり芸術祭にエールをおくりつつ、きさくで明るいお喋りは盛大な拍手をもって幕を
閉じました。

(記録文 マコ阿弥、写真提供 マリリン)